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会場に展示された主なバスとその技術(特に低床バスについて)は次のとおり。
・スカニア:新型低床バス・オムニシティは後扉までノンステップのフラットフロアを有する。
・ベンツ:路線バス0405NGは、CNG仕様で、低床バスの車体そのままにCNGエンジン搭載、屋根上にボンベを有する。
・ゼトラ:S315NFは水平エンジン左寄せで、後部にはスロープがあるもののノンステップフロアを実現している。
・ルノー:後扉部は低床化できず、ワンステップのままとなっている。エンジンは比較的高い位置に搭載してあり、大きく開く点検蓋により整備性はかなり良い。
・ユーリエ:GX317はいずれも後扉はワンステップとなっている。展示車両では後部シート配置が、L字型のベンチタイプとなっているのが目新しい。

 

(5)ZF社
ZF社は、ステアリングギア、変速機(手動/自動)などで世界的に有名なメーカであるほか、低床バス用アクスルなどの生産も多い。
?研究所
同社研究所は、もともとは基礎研究を行うことを目的とし、470名の研究者で構成されるが、最近では先行開発や量産開発に近い仕事も担当している。FEMに代表されるCAE技術、ギヤの歯打ち騒音に関する計測技術などに独自技術を有している。
?低床バス用のパーツ、コンポーネント
エコマットは同社の中心的レンジのATシリーズの名称で、ロックアップ機構(1100rpm以上で)、高トルコン比(2.5〜3.5)、リターダ内蔵、電子制御、小型軽量などの特徴を有している。
低床バスコンポーネントに関しては、ZF社では、フロントアクスル(独立式、固定式)、リヤドロップアクスル、駆動軸変向機などを製造している。同社のドロップアクスルは後車軸上の床面高450mmが実現でき、採用数も多い。アクスルヘの入力軸は縦置きエンジンの90度と横置きエンジン・アングルドライブの80度(いずれも車軸への角度)が基本で、後扉部の低床化には、アングルドライブが推奨されている。

 

 

 

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